2020-05-10

『現代彫刻アンソロジー』を読んでくれ!


先日の週刊記事でも気になってると書いた、『現代彫刻アンソロジー』を購入・読了しました。

鑑賞専門・アートビギナーの自分でも楽しめて、少しでもアートや彫刻に興味のある人にはぜひ手にとってもらいたい一冊だと感じたので、本の内容と特に気になった作家さんについてちょこっと紹介できればと思います。




『現代彫刻アンソロジー』

『現代彫刻アンソロジー』は、次世代を担う注目の彫刻作家18名の作品写真、そして「なぜ彫刻を選んだのか?」「制作のこだわりは?」がテーマの寄稿を掲載した一冊になります。作品写真はたっぷり5ページ前後で約7~10点ほど。寄稿ついては半ページほどですが、各作家の背景を知ることができる内容の濃いものになっているなと感じました。

自分が彫刻作品に興味を持つようになったのは、おととし齊藤 秀樹さんの個展に足を運んだのがきっかけ。その後に知った、名和晃平さん、土屋仁応さん、金巻芳俊さんが取り上げられていると知って、「これは買いでしょ!」と思い、今回この本の購入に至りました。

生命のまなざし―土屋仁応 新作彫刻展「祝祭」に行ってきたよー。の感想。

コロナウイルスの影響で美術館に脚を運べない今、作家さんの作品を大きなカラーページでじっくり眺められるのは嬉しいことです。彫刻作品の性質上その醍醐味は、実物を整えられた環境の中で鑑賞するのが一番であることは間違いありません。でも、誰にも邪魔されず、周りを気にすることなく、いつまでも好きなときに写真で鑑賞できるのも良いものなのではないかと思います。

また、作家さんの寄稿とは別に、「彫刻」についてのコラム3編も掲載されていて、日本における彫刻の歴史や現状について学ぶことができるのもビギナーには嬉しいです。

ページを捲るたびに「うぉ~」「はぁ~」と感嘆のため息が漏れてしまう本書。お目当ての作家さんの他にも、今回この本を読んでファンになった作家さんもいたので、以下で合わせて紹介できればと思います。

土屋仁応

幼稚園の卒園アルバムで、すでに「彫刻家になる」と語っていた土屋仁応さん。その作品の魅力は、なんといっても木彫りとは思えない滑らかさ。そして、まるで本当に生きているかのような温かさだと思います。

土屋さんの作品は昨年の個展新作彫刻展「祝祭」で直接鑑賞することができました。田中福男さんが制作する玉眼も相まって、ずっと見つめ合っていると吸い込まれそうになるその眼差しに魅了されました。

 

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金巻芳俊

 

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初めて金巻さんの作品の画像を目にしたとき、思わずギョッとしたのを覚えています(確か昨年の「木学/XYLOLOGY-起源と起点-」の告知で上記作品)。だけど、それは目を逸らしたくなるような感情ではなく、寧ろ強く引き込まれて魅入ってしまうような気持ちでした。

多くの人間が他の人間を見る際に、まず目がいってしまう顔。そこにある明らかな異質感。でもその作品の多彩な表情は至極人間的。さらにその表情もまた、それぞれが相反する表情を浮かべている。金巻さんの表現する「アンビバレンス=両面感情、相反感情」に惹き込まれていたのかなと思います。

 

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金巻さんの作品はInstagramの他にHP にも多数掲載されているのでぜひ。

まだ直接作品を鑑賞できていないので、今年はぜひ生で観たいと思ってます。

稲葉友宏

 

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「空白」や「形が消失する過程」、或いは「現れる過程の一瞬」を表現するアーティスト、稲葉友宏さん。今回始めて知った作家さんですが、彫刻作品でここまで儚い「時間」を表現できるその手法・アイディアがすごいなと思いました。

 

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稲葉さんは作品について「自由に想像を膨らませてみてください」と言っています。 消失とも出現ともとれるその表現、そしてその物語についていろいろ語り合ってみるのも楽しそうです。

吉田泰一郎

 

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めちゃくちゃ好きなんです、こういう作品。動植物モチーフのファンタジー感に、彫金ならではのソリッドな厳つさの融合。そして儚くも壮大な命の勢いを感じる華やかさ。たまらんです。

 

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植物と動物が融合した生物にも見えるし、動物を侵食する植物にも思える。或いは植物から生まれた動物か。そんな空想、物語が一瞬でぶわっと広がる吉田さんの作品、なんとしても実際に観たいです。

吉田さんの作品が好みの方は、同じ彫金技法で動物をモチーフにした作品を作る水代達史さんもハマるんじゃなかなー、と思います。

水代達史 展 -Breathing Metal- に行ってきたよー。の感想。

まとめ

ということで、今回の『現代彫刻アンソロジー』、アート・彫刻好きな方なら絶対に買いだと思います。今回個別に紹介出来なかった作家さんも、もちろん魅力的。それをこのボリューム・価格で観られるのは お得です。

コロナウイルスの影響でなかなか作品を観られない状況ですが、こういう時期だからこそ視点を広げていろいろな作家さんを知り、また展覧会が再開したときにはバンバン脚を運べればなーと思います。では!

 





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