2019-02-04

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED に行ってきたよー。北斎ビギナー的感想。


1月に行きたい展覧会の記事にも書いた、楽しみにしていた展覧会、行ってきました〜。新・北斎展!

正直なところ、北斎と言われても「浮世絵の人! あの波のやつ!」くらいにしか頭に浮かばない程度の自分。いざ向かう前に、今回の北斎展を自らの集大成とするべく監修されながら、去年の2月に亡くなられた永田生慈先生の著書を一冊、ちょろっと読んでから挑んできました。

ちなみにこの本は初心者にもわかりやすくて、文量もそこまで多くはないので、北斎についてまだあまり知らないという方はさっと読んでから行くと、より北斎展を楽しめると思います!

ここがよかった、新・北斎展

ということで、今回初めて北斎の展覧会に足を運び、生で作品を見てみて「ここがよかった!」というところについてご紹介します。北斎を嗜む先輩方から見れば、そこじゃねえ! そうじゃねえ! というところも多々あるかとは思いますが……。飽くまで自分なりに捉えた北斎展をお伝えできれば!




圧倒される作品数

まずはなんといっても圧倒されるほどの作品数。もう、一つの時代やジャンルの作品を集めた展覧会なのではないかと思うほど。えっ! これ全部!? って感じです。

今回の展覧会では会期中の展示替えもあるため、常に全作品が見られるわけではありませんが、全部で約480点の作品が展示されています。自分が行ったのは開催から早い時期だったので、入るのに並ぶほどの混雑ではなかったけれど、それでも1点1点それなりにしっかり見て回ると2時間弱かかりました。

そしてもう一つは、その膨大な作品のバリエーションが多岐にわたること。北斎といえば木版画の浮世絵を思い浮かべる人が多いかと思いますが、北斎はその90年にわたる生涯の中で挿絵や漫画、肉筆画など多くの挑戦をしています。それを一度に鑑賞することができる。それだけでも今回の北斎点の大きな意義だと感じます。

そして永田先生が所蔵していた通称「永田コレクション」は今展覧会のあと、島根県のみで公開されることが決まっているため、実質これだけの作品を一度に見れるのは最後なのでは……ということからも「行くしか無い」展覧会ですね。

 

美人画

北斎ビギナーである自分とすれば、やっぱり「木版画の風景画」のイメージが強かったのですが、一番印象に残ったのは肉筆の美人画でした。中でも宗理期の「風俗三美人図(No.127)には見とれてしまいました。決して派手な絵では無いけれど、北斎の絶妙な筆使いに引き込まれる人は多いかと。自分が一番好きなのは、女性が身に纏っている着物の裾。その弛みの柔らかさ。

墨の濃淡や太さによる重力表現。こんな質感を出せるんですね。

美人図の中では「見立三番叟(No.211)」あたりも、めちゃくちゃおすすめです。どちらも前期(2月18日)までの展示なのでぜひお早めに!

 

風景画

風景画と言ったら「冨嶽三十六景」。中でも最も有名な「神奈川沖浪裏」や、「北斎ブルー」と呼ばれるベロ藍を用いた一色摺りによる最初の10作品は、その表現力に驚かされます。北斎ブルーに関してはこちらの記事がおもしろいのでぜひ。

北斎が愛した独特の青色「北斎ブルー」誕生の秘密とは

ただ風景画の中で格別に感動したのは「隅田川両岸景色図巻」でした。

永田先生の命日に合わせ、急遽出品が決まったというこの作品。上の画像ではわからないですが、巻物なので隅田川とその両岸の風景がずーーっと長く描かれています。全体的に淡く描かれた風景はどこか幽玄で、この世のものでは無いのではないか、という気持ちにさせられました。

そして特に注目したいのは、水面に映る船や橋の「影」。それはもう影が主役なんじゃないか、と思うほど。ぜひ生で見てもらいたいですが、前期と後期で巻きかえが行われるようなので、もしかしたらその影は前半しか見れないかもしれません。こちらもお早めに!




自分の世界が広がった北斎展

以上、北斎ビギナーymnによる新・北斎展の感想でした。一言でまとめてしまえば、「自分の世界が広がった」だと思います。去年アートに興味を持ち始めたきっかけが現代アートだったので、自然と興味もその方面に向いていいたのですが、今回の北斎展で北斎はもちろんのこと、浮世絵や日本の絵画についてももっと知って行きたいと思うようになりました。

北斎の絵に限ったことでは無いですが、今の時代、名画というものはインターネットで検索すれば簡単に見ることができます。でも今回実際に北斎展に足を運んでみて、その線の精密さや色彩の濃淡は、作品を直接目の前にしてみないと本当の意味で感じることはできないなと実感しました。

北斎や浮世絵に疎い自分でもとても楽しめたので、みなさんもぜひ! では。








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